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The Power of Regret : 後悔の力 (結石ではオレも後悔した)

今週のNEJMに「The Power of Regret」という記事があった。タイトルに惹かれて読んでみた。

先日発症した尿管結石は、薬と水2リットル/日のおかげで激痛からは解放されたものの、まだ腰に違和感がある。まだ存在を感じる。いつでもヤってやるぜ的な。

激痛に襲われた時には、とても ”後悔” した。「最近、食べ過ぎだったな」とか「ずっとハイボールだったのに、最近、ビールも飲み始めたな。。。」とか。激痛の中、心の中で後悔し、仏様に謝りっぱなしだった。「今回だけは勘弁して下さい。二度としませんから」と言いながら。

その観点でもなかなか面白い記事だった。後悔すると、次からはよい判断ができるかも。

「さあ、お前の罪を数えろ!」(仮面ライダーW風)

以下、記事の概要。

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医師が「医療における後悔」と聞くと、たいていは臨床転帰が不良であることを想像する。例えば、ある前立腺炎患者は、治療オプションを読んだ上で、錠剤を飲むのが嫌という理由からある治療を選択した。結果、その治療の既知の副作用でアキレス腱が自然断裂した。治療オプションをきちんと調べたにも関わらず、何故、その治療にこだわったのかとその患者は後悔した。

その後悔につながる2つの要素がある。
・異なる選択をしておけば症状が改善されたのではないかという想像による後悔。
・不良転帰となった治療を選択したことによる自己批判

治療を受ける場合、病院の選択から治療まで、どのステップにも意思決定があり、それにより後悔するかもしれない。いずれの選択も不確実であり、後悔のリスクはある。医師にとっての”後悔”は医療過誤訴訟の中での話であり、患者の後悔については学んできていない。

■不良転帰が必ずしも後悔につながるわけではない。
ある患者はプロセスに従い、治療オプションを理解・吟味した上で膝の手術を選択した。結果として症状は全く改善されなかったが、患者の後悔はなかった。患者が治療の選択肢の情報を考慮することなく意思決定のした場合に「process regret」が起きる。

■転帰が良好だからといって後悔しないわけではない。
ある患者は様々な検査の結果、結節が悪性かは判定できなかった。ただ、超音波の診断では安定しているように見えたので様子見しようと考えた。しかし、家族に強く説得されて手術した。結果として悪性腫瘍はなかったが、患者は結果に安心するよりも手術を受けたことを後悔した。このように意思決定に他人が大きな影響を与えた場合に「role regret」が起きる。

■ある株の価格が下落した際の後悔について調査の結果
アクティブな投資家は株を購入した。パッシブな投資家はその株を保有したままだった。
どちらがより後悔しているかと思うかという問いに対して、「株を購入した投資家の方が後悔している」と答える人が多かった。つまり、何もせずに悪い結果が出るよりも、直近のアクションに対して悪い結果が起きた方が後悔すると考える人が多いということ。

■同様な話は医療にも当てはまる
インフルエンザの予防接種を受けて、それがもとで体調を悪くするよりも、”インフルエンザを発症するリスクがあっても予防接種を受けない” という人が多いのだ。

■行為に関連する後悔は、それ以前の状況も考慮しなければいけない
例えば、あるスポーツの試合でメンバーを途中交代させた後に負けたコーチの後悔を考える。交代時にチームが勝ちそうなのか負けそうなのかによってコーチの後悔は異なる。勝っているところで、メンバーを交代させた挙句に負けた場合の方が後悔は大きい。

一般的に、後悔はネガティブな感情とみなされており、ポジティブな観点からの評価ができていない。医師としてあらゆる形での後悔の力を理解することで患者のより良い判断を手助けできる。

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