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機械翻訳のアルゴリズムの精度を議論する前にやるべきこと

ITの英訳案件を終えた後、レビュー指摘を振り返り、その後は次回のIT案件で役立つようにマイクロソフト社のスタイルガイドに目を通している。

案件はマイクロソフト社のものではないが、公開されている資料の中ではかなり役に立つ資料だと思う。

以下のページの左下にある[Download PDF]からダウンロードできるので、興味のある方は確認してください。

https://docs.microsoft.com/en-us/style-guide/welcome/

ただ、このpdfファイル、1069ページもある。

それでも大半は1ページにそれほど記載がないため短いものは数秒程度でななめ読みできる。

これを1日50ページ読むと決めて、現在500ページまで到達した。

このスタイルガイドは2022/6/22に更新されたようで、最新の翻訳トレンドが詰まっている(だろう)という点でも意味がある。

半分読んだ時点でも、「え、ウソぉ~」と思うことがいっぱいあった。

IT分野の長い実務経験があって、これまでいろいろなITの英文を読んできたにもかかわらずだ。

メディカル分野のAMA Manualに限らず、IT分野も知識を最新化していかないと古臭い訳しかできないのだなと痛感した。

今回の発見の1つに以下の記述がある。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
invalid, not valid
6/24/2022 • 2 minutes to read

Both terms are OK to use, but try to use more specific terms instead.
Global tip Use not valid instead of invalid if possible because machine translation might not translate invalid correctly.
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これは機械翻訳を考慮した上で、言葉の使い方を指示している。

マイクロソフト社では大量の翻訳が必要になるため、このような考慮をするかどうかはその後の品質やコストに大きく影響するのだと思われる。

会話の翻訳とは異なり、文書の翻訳であれば、原文の主語・述語を明確にするとか、文章を長くしすぎないとか、ある程度のルールに基づいて作成するだけで、機械翻訳の訳はかなり使い物になるのではないかと思う。

機械翻訳の精度をアルゴリズムによって数パーセント向上させるよりも格段に簡単にできる。。。と思いたいが実際にはそれができたら誰も苦労しないという所だろうか。




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プロフィール

火星の翻訳者 (A Translator on Mars)

Author:火星の翻訳者 (A Translator on Mars)
IT業界で約30年にわたり金融系のシステムエンジニアとして従事。その中で、システム企画・構築・保守、海外駐在や海外ベンダーとの共同プロジェクトも経験。プロマネや情報セキュリティ関連の書籍翻訳(共訳)の経験も有り。2021年3月に長年勤めた会社を早期退職して個人事業主として開業。

保有資格などは以下の通り。
(1) 英語分野
・英検1級
・全国通訳案内士
・TOEIC 950
・アメリア メディカルクラウン
・DHC日英メディカル 総合評価AA (96.5)
・AMWA Essential Skills Certificate
(2) IT分野
・PMP
 (Project Management Professional)
・PRINCE2ファンデーション
・公認情報システム監査人 (CISA)
(3) ビジネス分野
・日商簿記1級